guide.yoshimoto.dev

仕事を速くする、技術と考え方

答は、見つけるものではなく ― 考えるもの。速くする順番と、その土台になる考え方を、テーマごとに整理していく場所。
ここは、仕事を速くするさまざまな技術と、その土台になる考え方を整理していく入り口です。個々のツールやショートカットは一側面にすぎません。まずどの仕事にも効く土台の考え方を置き、その下に分野ごとの技術(枝)を足していきます。土台の順番はひとつ ― まず消せないか、次にまとめられないか、最後に道具で速くできないか。この順番を、自分の仕事に当てて考えていきます。
土台 ― 1

答は、見つけるものではなく考えるもの

仕事の中身は、人によって違う。だから速いやり方は、一覧から探すより、自分の工程に当てて考えたほうが早い。
答は、見つけるものではなく ― 考えるもの。 このサイトが渡すのは、答えの一覧ではありません。自分の仕事に当てるための「問い」です。

なぜ一覧から探すだけでは足りないのか。あなたの工程にいちばん効く手は、あなたの工程を見た人にしか出せないからです。たとえば同じ「転記をやめる」でも、ある人は工程ごと消せ、別の人は消せず順番を入れ替えるのが最適 ― 効く手は、工程ごとに変わります

だからここで渡すのは、覚えれば済む「正解集」ではなく、自分の仕事に当てるための問いです。問いに答えるのはあなたで、答えは、考えたぶんだけ出てきます。以降は、その問いを「消す → まとめる → 速くする」の順に並べたものです。

これは、答えのある作業の話ではありません。キー操作のように「覚えれば速くなる」ものは、覚えるのが近道です。考えるのは、その手前 ― そもそもこの作業は要るのか、どうすれば要らなくなるのかという、正解が決まっていない部分です。
土台 ― 2

速くする順番 ― 消す → まとめる → 速くする

消した工程はゼロ秒。速くした工程は、まだ時間がかかる。だから、速くする前に「消せないか」を先に問う。
第1段

消す ― その工程は、そもそも要るか

消せた工程にかかる時間は、ゼロになります。いちばん大きい時短が、いちばん上にあります。まずここを問うのが、遠回りに見えて最短です。

第2段

まとめる・並べ替える

消せない工程も、別の工程と一緒にできないか、順番を変えて「待ち」を減らせないかを問います。手待ち(承認待ち・データ待ち)は、事務仕事の遅れの原因になりがちです。

第3段

道具で速くする

消せない・まとめられないと決まった工程だけを、道具で速くします。上ほど時短は大きく、道具を最後に置くのは、上の2段を飛ばすと「要らない工程を速くこなす」だけになるからです。この段の具体は、分野ごとのにあります。

手戻り(やり直し)は、最悪の消し損ないです。一度やった仕事をやり直すと、やった分がそのまま消えます(動いて学ぶための試行は別 ― 土台4)。だから「消す」には〈やり直しを未然に消す〉も含まれます ― 先に確かめておけば起きなかったやり直しを、起こさないこと。
土台 ― 3

「この工程は要るか」を、目的から問う

消していいかは、目的が決める。その工程が「何のためか」を言えたとき、初めて消していいかが分かる。

第1段「消す」を実際どう判断するか。工程を消す前に、たった1つだけ確かめます ― この工程は、何の目的のためにあるのか。目的が言えれば、その目的が別のやり方で満たせるか(消す・まとめる)を考えられます。逆に、目的が言えないまま消すと、必要だった工程を落として、やり直し(手戻り)になります。だから、消す判断のときだけは、目的を言葉にしてから動きます。

消す・まとめるを判断する問いの順序
  1. この工程の目的は何か(何のために、これをやっているのか)
  2. その目的は、この工程なしで満たせないか(満たせるなら消す)
  3. 他の工程と一緒にできないか、順番を変えて待ちを減らせないか(例:承認を待つ間に、別の工程を先に片づける)
  4. どれも無理なら、道具で速くする(分野ごとの枝へ)
手本 ― 1つの工程を消す
Before

たとえば毎朝、5つのファイルを開いて数字を手で1枚に転記していた(10分ほど)。

目的を問う

この転記の目的は「5つの最新値を、1枚で見比べること」。目的は転記しなくても満たせると気づく。

After

5つの値を1枚にリンクで参照。転記という工程そのものが消える。リンクを一度組めば、翌朝からは開くだけ

ここで大事なのは、手を速くしたのではなく工程を1つ消したことです。目的を言葉にすると、「速くする」の一手前に「消す」という選択肢が見えてきます。
土台 ― 4

いつ動いて学び、いつ考えてから動くか

目的が分からないなら、動いて確かめていい。ただし「やり直せる工程」に限る。

前の節では「消す前に目的を言葉にする」と述べました。では、目的がまだ言えないときは。その逃げ道が、この節です ― ただし使えるのは、やり直せる工程だけ。人は動いてみて初めて分かる部分があり、一歩踏み入れたほうが目的が早く見えることもあります。

とはいえ「まず動く」と「先に理解する」は、ぶつかって見えます。どちらを選ぶかを決める線は、1本だけです ― その工程は、やり直しが利くか(可逆)/利かないか(不可逆)

やり直せる工程(可逆)

形から入って、動いて学ぶ

下書き、自分の中だけの試し、すぐ元に戻せる作業。ここはまず動いていい。間違えても、やり直しが利くぶん損失が小さいので、動くことが目的の理解を最短で連れてきます。

やり直せない工程(不可逆)

動く前に、目的を固める

相手に出す、承認をもらう、数字を確定する。ここで間違えると、やり直し(手戻り)=最悪の無駄になります。だから理解を先に

見分ける問い ― 〈間違えても、誰にも見せずに元へ戻せるか〉。戻せるなら可逆(動いて学ぶ)。相手や記録に残る・元へ戻せないなら不可逆(理解を先に)。
動いて目的が見えたら、そこで手を止めないこと。動いた工程は「やったのだから要る」と錯覚しやすく、そのままだと消せたはずの工程が残ります。だから動いた後は、必ず消せないかの問い(第3節の問い②)に戻り、工程ごと消せないかを確かめます。
土台 ― 5

繰り返し使うものは、毎回作らず「呼び出すだけ」にする

一度きりの手間を、次からも効く形にする。よく使う文面や場所を定型にして残せば、次からは考えずに呼び出すだけ。

よく使うものを作り直さず呼び出せる形にして残すこの一手は、消す・まとめる・速くするの順番の外にある、全工程に効く工夫です。よく使う言葉づかい、決まった文面、たどり着くのに手間のかかる場所(フォルダやファイル)を、次から考えずに呼び出せる形にして残しておく。たとえば毎回打つあいさつ文を定型として登録しておけば、次からは呼び出して中身だけ差し替えれば済みます。一度きりの手間が、次からは繰り返し回収されます(分野ごとの具体はに)。

残す価値があるかは、2つの問いで決まります ― これは今後も繰り返すか。次に同じ場面が来たとき、考えずに呼び出せる形になっているか。一度きりなら、残す手間のほうが損。繰り返すものだけ残せば、その工夫は次から呼び出すだけで済む持ち物に変わります。

やることは1つだけです ― 今日の作業を1つ思い出して、〈この工程は目的なしで消せないか〉か〈これは繰り返すから、次のために残せないか〉のどちらかを、1回だけ問う。1日1問でも、仕事は少しずつ、しかし確実に軽くなっていきます。
実践 ― 分野ごとの枝へ

道具で速くする ― ここから先は、分野ごと

ここまでが、どの仕事にも効く土台です。消せない・まとめられないと決まった工程を、実際に道具で速くする段になると、道具は仕事の分野ごとに違います。だから技術は、分野ごとの枝に分けてあります。

このサイトは育てていく途中です。ClearSight は「道具で速くする」の一枝。この上に、他の分野の仕事術・考え方の枝を少しずつ足していきます。
答は、見つけるものではなく考えるもの。まず消せないかを問い、やり直せる工程は動いて学び、消せないものだけを道具で速くする ― この順番を自分の仕事に当てるたびに、仕事は何歩でも速くなります。
guide.yoshimoto.dev ― 仕事を速くする技術と考え方。このサイトの URL は変わりません。ブックマーク可。